クルティエからブルゴーニュ自然派の筆頭格へ、ネゴシアン・フレデリック・コサール

【2007  Puligny Montrachet Les Reuchaux – Frederic Cossard】

ボーヌ市から西に6 km、ポマール、オークセイ・デュレスと通り抜けさらに奥へ上ると、目の前に切り立った急崖が 広がる。その崖を目指してさらに進むと標高400mの高台にサン・ロマンの村がある。フレデリック・コサールの拠点はサン・ロマン村で、彼のドメーヌは村から2kmほど離れた麓にあるドメーヌは、裏が丘そして正面に小川が流れる、周囲1km四方に全く民家の見当たらないまるで隠れ家のような場所にあり、そのまわりは電波が一切遮断されていて携帯電話が全くつながらない。(コサールいわく「有害電波を遮断したクリーンな場所をわざわざ選んだ」とのこと) 畑は従来のACサンロマン、ACオークセイ・デュレスに加え、2010年からACポマール、1erクリュ、ACヴォルネイ、ACブルゴーニュ、ACブルゴーニュ・オート・コート、ACアリゴテを新たに所有。平行して、ムルソー、ボーヌ・ロマネ、ピュリニー等ブルゴーニュの厳選された畑から優良なブドウを買い、ネゴシアン・フレデリック・コサールとしてワインを醸造している。気候は半大陸性気候で、冬は寒く夏は暑いが、いわゆる「コート・ドール」と呼ばれる南北100 kmに及ぶ丘陵地帯が過酷な気候から身を守る。土壌の性質、畑の向き、そして気候がそれぞれのクリュによって様々で、ミクロクリマとテロワールが複雑に絡み合う。

現オーナーであるフレデリック・コサールが自らドメーヌ・ド・シャソルネイを立ち上げたのは1996年。当時、ワインとは無縁の酪農の家系で育ったフレデリックは、厳格な父親の影響の下、家業を継ぐためにENIL(国立乳産業学校)で乳醗酵を学ぶ。学校を卒業後、父親の命令で、ボストン近郊にある乳製品会社Bongrainに2年間の研修予定で無理やりアメリカに旅立つも3週間でフェードアウト。その後、家業を継がないことを決めた彼は、父の下を離れ以 前から興味のあったワインの世界に裸一貫で飛び込む。その時、23歳だった彼は、ボーヌとサヴォワの醸造学校でワインを学び、最小限の投資でクルティエの仕事を始める。何も伝のない中、紙と鉛筆と電話と車だけで片っ端からブルゴーニュのドメーヌの門を叩き、粘り強くワインの交渉に当たり次第に顧客の信用を勝ち得るようになる。途中、 ニュイ・サン・ジョルジュのネゴシアンでワインのブレンドを担当しながら10年間クルティエ業を勤める。その間、「ブルゴーニュのワインは全て飲み尽くした」という彼は、自らの理想のワインをつくるために、ドメーヌ立ち上げ を決意する。1996年、彼は義理母(当時)と一緒に念願のドメーヌを立ち上げる2005年、新たにワイン醸造所を建設し、その翌年にネゴシアン・フレデリック・コサールをスタートし現在に至る

現在、コサールは10haの畑を5人で管理している。(繁忙期は季節労働者が数人手伝う。)彼の所有するブドウ品種は、ピノノワール、シャルドネ、アリゴテで、樹齢は若いもので8年。平均樹齢が50年で、古樹になると樹齢が80年に達する。彼の提唱するVin Vivant(活きているワイン)をグランクリュで表現することを目標に、日々探究を続けてきたコサールがついにその夢を実現。2000年から畑のプレパラシオンに病気の耐性を強化するホメオパシーを取り入れ、ブドウの活性化を図る。醸造面でも、粒単位での選果、SO2無添加、ノンフィルター、徹底した温度管理、地中カーヴの増設など、大胆でありながら繊細にして努力家の彼は、良い品質のワインをつくるために支払う代償は全く惜しまない。

【醸造】
醸造方法:赤はスミ・マセラシオン・カルボニック、白はバレルファーマンテーション

赤は、完熟したブドウを収穫後、冷蔵車でカーヴまで運搬。カーヴで2度目の選果を施した後、ブドウは二酸化炭素を充満させた木桶タンクへ房ごと入れる。発酵具合に応じてフラージュ(軽いピジャージュ)もしくはルモンタージュを施す。マセラシオンの期間は5~6週間赤は醗酵中の温度管理なし。(それぞれの持つワインの特徴が失われるため)マセラシオン終了後、フリーランのワインだけ抽出し、新樽もしくは古樽に移し12~15ヶ月の熟成、その後アペラシオンごとにワインを分け、タンク内で1ヶ月くらいワインを落ち着かせる。そして、ポンプを使わず重力を利用して瓶詰めする。(瓶詰め日は月のカレンダー参照)

白は、完熟したブドウを収穫後、冷蔵車でカーヴまで運搬。カーヴで2度目の選果を施した後、そのままブドウを房ごとプヌマティック圧搾機にかけプレスをする。(プレス時間は年やブドウの質によって異なる)いったん圧搾したジュースをタンクに溜めそのまま古樽もしくは新樽へ移し自然発酵。醗酵温度は3~6ヶ月の間12°Cに保つ。醗酵期間は7~8ヶ月。熟成期間は12~14ヶ月。熟成後アペラシオンごとにワインを分け、タンク内で1ヶ月くらいワインを落ち着かせる。そしてポンプを使わず重力を利用して瓶詰めする。(瓶詰め日は月のカレンダー参照)

【ホメオパシー農法】
2000年に友人のフィリップ・セク氏の協力の下、コサールがドメーヌの畑に導入した散布方法。オイディオム、ミル デュ対策のプレパラシオン(調合剤)の一環で、ブドウの葉の成長期に、ベースとなるエッセンシャルオイルとそれ ぞれの区画から抽出したオイディオム、もしくはミルデュの病原菌を培養し希薄化した水溶液をディナミゼ(攪拌) し、それぞれの畑に散布しなおすことによって、ブドウの木の免疫力を高める。

【Puligny Montrachet Les Reuchaux】
ピュリニーの区画はレ・ルショーで、フレッドの大のお気に入り。1983年からビオディナミで管理されていた畑の買いブドウ。畑面積は0.20ha。収量は30hl/ha。1~3年樽を使用。

品種:シャルドネ

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