日本で抜群の知名度をもつドメーヌ、シモン・ビーズ

【2011 Savigny-les-Beaune Blanc – Simon Bize】

サヴィニー・レ・ボーヌという比較的マイナーなアペラシオンにあって、驚くほど緻密で繊細なワインを生み出すドメーヌ・シモン・ビーズ。ドメーヌの創設は1880年初代シモン・ビーズがわずかばかりのブドウ畑を耕作して始めた。1950年に孫の3代目シモンがドメーヌを継承すると、ブドウ栽培のみならず、醸造家としての才能にも恵まれた彼は、戦後の経済復興もままならぬ中でドメーヌ元詰めを決意。ドメーヌ・シモン・ビーズのワインは高く評価され、レストランのシェフやソムリエ、さらにワイン愛好家の間で広まっていったという。

そして1972年にドメーヌを引き継いだのが、3代目シモンの息子、パトリックである。彼はドメーヌの名声をさらに高めると同時に、ブドウ畑を大きく拡張。1995年にラトリシエール・シャンベルタン、1997年にコルトン・シャルルマーニュと、赤白ふたつのグラン・クリュを手に入れることに成功し、ドメーヌの総面積は22ヘクタールに達した。

そして1998年、パトリックは日本人女性の千砂さんと結婚。長男ユーゴ、長女ナスカというふたりの子どもにも恵まれたものの、2013年10月、61歳の若さで他界した。以後、ドメーヌの舵取りは千砂さんと、パトリックの妹で、ヴォーヌ・ロマネのドメーヌ・ジャン・グリヴォに嫁いだマリエルに委ねられている

ドメーヌでは2008年から、千砂さんの進言によりビオディナミ農法を採用。子育ての過程でシュタイナー教育に興味をもった千砂さんが、シュタイナーの理論が農業とも結びついていることを知り、アンヌ・クロード・ルフレーヴによるビオディナミの勉強会に出席したのがきっかけ。パトリックに相談すると、「セルパンティエールなら試してもいい」と言われたという。当時、セルパンティエールの畑はウィルスに冒されており、引き抜くしかなかったが、ビオディナミを実践すると畑の様子が徐々に変わってきた。ワインの質は始めてすぐに変わったという。 「2008年からワインにヴァーティカルなラインが出て、緊張感のあるワインになった」と千砂さん。

ワイン造りは今も昔も変わらない。白ワインは収穫後、ブドウをただちに圧搾し、12時間のデブルバージュ。小樽に移して発酵。クリマに応じて6∼12ヶ月の樽熟成を行う。新樽率は15∼30%と比較的少なめで、古い樽は5年ものまで使用する。バトナージュは機械的には行わず、各樽の状態を見て判断するという。赤ワインの醸造も古典的。基本は100%全房である。近年の例外は成熟の難しい区画のブドウを除梗した2007年と、大雨や雹に祟られ完全除梗を決断した2013年。発酵には木桶を使い、柔らかな抽出のためピジャージュは足。その後、樽に移すが新樽率はきわめて低く、まったく新樽を使わないキュヴェも多い。収穫翌年の1月から3月にかけてすべてのワインを瓶詰めする。

シモン・ビーズのワインの特徴は”端正”のひと言。白はきれいな酸味が基調でミネラルに富み、赤はしなやかながらストラクチャーはしっかりしてる。いわゆる過剰なところがないのがこのドメーヌの特徴であり、料理と合わせるとじつにおいしく、その値ごろ感からもレストラン向けのワインといえるだろう。

2014年は買いブドウながら、千砂さんが欲しい欲しいと言い続けてきたコルトンの赤(リューディはルナルド)をとうとう醸造。「天国のパトリックからプレゼントが届いた」と千砂さんは語る。また息子のユーゴは現在、ボーヌのリセ・ヴィティコールに通い、頼もしく成長している。パトリック亡き後のドメーヌも安泰である。

品種:シャルドネ

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