衝撃的な果実味で成功した新世代ブルゴーニュ、フィリップ・シャルロパン・パリゾ

【2013 Marsannay – Phillippe Charlopin Parizot】

フィリップ・シャルロパンは、トップドメーヌがひしめくジュヴレ・シャンベルタンのみならず、ブルゴーニュを代表する造り手だ。1976年に1.5haのささやかな畑とともに自身のドメーヌを設立。その後少しずつ畑を広げ、現在では25haの所有畑から35のアペラシオンのワインを手掛けている。

8つのグランクリュを含むこの絢爛たるラインナップにふさわしく、彼のワインは華やかな果実とアロマに満ちている。そのゴージャスな味わいから、時にはテロワールよりも『シャルロパンのスタイル』が強調されていると評されることもある。確かに彼のワインは濃厚なスタイルだが、それは各畑独自のキャラクターを凝縮した完熟ブドウの持てる全てをワインに反映させた結果である。彼の作品にじっくりと向き合えば、そのふくよかな味わいの中には、ピノ・ノワールの旨みとともに、畑の個性とブルゴーニュならではの精緻さが密に詰まっていることが分かるだろう。2006年に新設された醸造施設が、家族経営のブルゴーニュのドメーヌとしては並外れて大規模であるのも、テロワールの違いを表現するためだ。140もの区画に分かれた畑に対応するために、発酵用の小さなステンレスタンクがずらりと並ぶ様子は壮観である

畑自身にテロワールを表現させることを目指すフィリップは、自然なワイン造りをモットーとしている。栽培はリュット・レゾネで行い、除草剤や殺虫剤は使わない。低収量にこだわる彼は、自然と収量が低くなる古樹を大切にしているため、所有畑の樹齢は高い

駆け出しの頃はブドウを房ごと発酵させたり、バトナージュを多用していたが、現在ではなるべく人為的な干渉を避けた醸造を行っている。フィリップがアンリ・ジャイエの愛弟子であったことは広く知られているが、彼のワイン造りの随所に師の影響がみられる。ブドウは全て除硬し、バトナージュではなく、長い低温浸漬でエキスを抽出する。この手法でワインを造るためには本当に熟した健全なブドウが必要だという彼の選果は厳しい。一部のワインにはボルドーのトップシャトーで使われる光学式の選果台も使うほどである。アルコール発酵は必ず自然酵母で行い、補酸も決してしない近年では新樽の使用も控えており、ワインは瓶詰めまで澱引きされることなく長期間熟成される。
畑の個性を体現してこそグランヴァン、という彼のワインには、時代の寵児たる風格すら感じられる。

《追記》
フィリップは22歳のときに1976年に父から継いだ1.5haの畑を少しずつ買い足していき、今では25haもの畑を所有するようになりました。土地の高いブルゴーニュにおいて驚くべき程の成功と言っていいでしょう。若いうちから壮麗なワインであるスタイルがアメリカで熱狂的に受け入れられたのが大きかったのかもしれません。フィリップは、若い頃はブルゴーニュのワインはあまり好きではなかったそうです。「薄くて甘くて酸っぱくて、なんだかイマイチ」そう思ってボルドーのワインばかり飲んでいたそうです。そんな彼がブルゴーニュに目覚めたのはアンリ・ジャイエの影響だと言われています。フィリップは初めの頃はワイン造りの途中でアンリ・ジャイエのアドバイスを聞きながら造り、最終的には、ワイン造りの途中では意見を聞かずに造ったワインをただ持っていくようになったそうです。畑は多くのブドウ樹が古樹のため自然に収量がおちます。リュット・レゾネで耕作されており、除草剤や化学肥料も使用せず、自然で健康的なブドウを育ています。厳しく選別された果実は、発酵・マセラシオンのプロセスで自然に抽出が行われるようにし、収穫年や銘柄に応じてピジャージュやルモンタージュを実施します。今では除梗も100%行います。(昔はせっせとバトナージュを行い、徐梗もしてなかった)ほとんどのワインが50~70%、グランクリュで100%新樽使用しています。樽熟成中は澱引きをせずに瓶詰前に軽い濾過を行います。パリゾの特徴は、溢れんばかりの果実味を活かした若いうちからの親しみやすい風味。

【Marsannay】
樹齢90年。シュヌヴォワはマルサネの筆頭ヴィラージュであるロンジュロワとクロ・デュ・ロワに挟まれた畑で、赤や黒の果実がたっぷり感じられる力強いワインを生む。

品種:ピノ・ノワール

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