ひねくれ者を自称する天才ジャン・マリー・ギュファン、ヴェルジェ

【2015 Pouilly Fuisse Terres de Pierres – Verge】

『この型破りな醸造家の造るワインを試飲するのは常に素晴らしい瞬間だ』
Le guide des meilleurs vins de France2015「ドメーヌ・ギュファン・エナン」はRVFで最高評価の3ッ星を獲得。「ベタンヌ・ドゥソーヴ」でも最高評価の5ッ星を得ている
ブルゴーニュで5ッ星評価はロマネ・コンティやルソーを含めて11軒のみ。白ワインの魔術師当主のジャン・マリー・ギュファンは1970年代に妻と共にブルゴーニュへ移住したベルギー人。ワイン造りとは関係ない環境にいた彼だが、一気にトップ生産者の仲間入りを果たしてしまう。
皆が彼を「天才」と呼ぶ。試飲をしていても芸術家のように感覚でワインを判断していく。表現も独特。ワインのパワーを表現する。『ヴェルジェでは常に良い葡萄を自分で選んでその畑の表情を引き出す。楽しい仕事だ。ギュファン・エナンは自分の葡萄のポテンシャルを毎年確認し、高めるのだ』

1980年からは、ネゴシアン部門である「メゾン・ヴェルジェ」を手掛けている。『ネゴシアンを始めたのはマコン以外でシャルドネの新しい可能性を見つけたかったから。色々なシャルドネに出会うと興奮する』 シャブリ、コート・ドール、マコン等、各地の葡萄 栽培家や造り手と情報交換をしながら、その年の買取り区画を決めていく。
皆が驚くような造り手の葡萄も僕等は手に入る。毎年買い続けるから』熟成中の樽には色々な有名な造り手の名前と区画が記入されていた。ヴェルジェの醸造責任者でジャン・マリー・ギュファンの右腕で10年以上働いているジュリアン。 全ての畑に出向き土壌、日照条件を熟知している。栽培チームも率いていて一部の畑では栽培も自分達で手掛ける。

醸造は「ギュファン・エナン」とほぼ同じ。優しく圧搾、フリーラン果汁を重視していてプレス果汁は完全に分ける。『PHが低いフリーラン果汁は上級キュヴェとして樽発酵・熟成プレス果汁はコンクリートタンク及びステンレスタンクで村名として醸造する発酵は野生酵母のみ。フレッシュな白ワインに関しても低温から始め、できる限りゆっくり時間をかけて発酵させる。『年によってはアルコール発酵とマロラクティック発酵が同時に行われることもある。常識では考えられないが、これによってワインは軽やかに仕上がる。ヴェルジェの個性に合っている』
通常、醸造学上は2つの発酵が同時に進む事は危険とされ避ける。しかし、彼等にとっては果実の重さを出さずにバランス良く仕上げることができるとして好意的に考えられている。『最良の葡萄で無ければ最高のワインは造れない。 最良の葡萄が手に入らなければその区画のキュヴェは造らない。格落ちさせる』「ヴルジェ」でリリースされるキュヴェが毎年異なるのはその為。『約60のキュヴェを造っている。多く感じるかも知れないが私にとってはたったの60種』

『ワインは自然の産物。だから常に変化する。造り手も飲み手も変わって行くべきだ。何も変わらないものを求めるならワインでない方が良い』「ヴェルジェ」を立ち上げてからおよそ10年後、彼等が次に挑戦したのは南仏リュヴェロンでのワイン造り標高420m以上の高地にドメーヌを購入し、ジャン・マリー・ギュファンはここに移住。『南仏の単純さは熟すまでの期間が短いことに起因している。標高が高いこの地域は南仏でありながらゆっくりと葡萄が熟す』購入当時は適さない品種が多く植えられていた為、大規模な改植を実施。グルナッシュやシャルドネなど7品種を植えている。南仏のワインも醸造はギュファン・エナン、ヴェルジェと同様。

ドメーヌ・ギュファン・エナン
マコンの自社畑のみ。
ネゴシアン・ヴェルジェ
ブルゴーニュの買い葡萄。
ドメーヌ・ギュファン・オ・シュッド
南仏リュヴェロンの自社葡萄のみ。
ネゴシアン・ヴェルジェ・ドゥ・シュッド
南仏リュヴェロンの買い葡萄。

《追記》
ひねくれ者を自称する天才。他のドメーヌと同じように紹介することは難しいかもしれません。一つはあるラベルが翌年も使われる保証が少ないこと。もう一つはジャン・マリー・ギュファンは自分が色分けされることに抵抗するから。「以前は非難されていたようなものごとでも、ほんの2〜3人が賛同すれば流れが変わる。そうなったら自分はそれに背を向けたくなるんだ。」彼が背を向けたことの一つはテロワール。これは彼がテロワールの存在を信じていないからではなく、その恩恵が宣伝されすぎてる一方で、多くの人々の畑への向き合い方が正しいと思えないからだそうです。彼は徹底して自分の論を貫く。評論家に「頑固」と評されたところ、彼は「いや頑固ではないよ。ひねくれ者なんだよ、きっと」と返す。自分が他人を不快にさせることを認めていますが、常に好奇心の扉を開いているので頑固ではないそうです。

品種:シャルドネ


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