複雑なクラマンのテロワールを見事に表現する次世代を担う造り手、ランスロ・ピエンヌ

120年というワイナリーの歴史と未来のシャンパーニュを体現するスタイルは、フランス国内外でも注目を集める。次世代を担う造り手として目を離すことができない生産者。

コート・デ・ブラン地区のグラン・クリュであるクラマンは、サランの丘の南東向き斜面からアヴィーズへと続く東向きの斜面からなる。日照量に恵まれた柔らかく豊かな果実と力強いがゆったりとしたミネラルにより、味わいの広がりは大きくクリーミーな質感が特徴である。アヴィーズやル・メニル・シュール・オジェに比べると酸やミネラルはそこまでタイトすぎず、よりふくよかな味わいが楽しめる。

ランスロ・ピエンヌのラインナップはクラマンのシャルドネをメインに使用しており、これぞクラマンという味を堪能することができる。創始者であるジャン・バティスト・ランスロはもともとこの地でブドウを栽培しており、その歴史は120年も前に遡る。ワイン造りに対する彼の情熱は脈々と受け継がれ、2005年からはジル・ランスロが4代目としてドメーヌの指揮をとっている。
ジルのモットーは「個性あふれる区画を吟味し、クラマンのテロワールを最良の方法で表現すること」である。所有する区画はそれぞれが異なる向きの斜面を持つため、ブドウの成長スピードは一つとして同じものはない。こうしたブドウの多様性がランスロ・ピエンヌのスタイルを造り上げるのだ。

彼は父親からの教えを守りつつも、より深いテロワールの表現を目指すために栽培、醸造、キュヴェの仕上げといった全ての工程において自分の理想を追求した。シャルドネという品種とテロワールの個性を生かすために全キュヴェをステンレスタンクで仕込み、クラマンの特徴である複雑さや豊かさをより表現するためにマロラクティック発酵を行う。また、リザーヴワインの貯蔵にはソレラシステムを使用しているためブレンドには1999年からのものが使われている。こうした彼の取り組みから複雑でストラクチャーのはっきりとしたシャンパーニュが完成する。

近年特に理想的なクラマンのブラン・ド・ブランを生みだすと品質の向上が謳われるようになり、ワイン評論家であるロバート・パーカーは「複雑なクラマンのテロワールを大変見事に表現している」「エレガントで引き締まっており、緻密で精巧なシャンパーニュ」と評している。フランス国内でも多くの人が注目し、次なる世代を担う造り手として目を離すことのできない要注目の生産者である。

NV ランスロ・ピエンヌ ターブル・ロンド・ブリュット

【NV Lancelot Pienne – Table Ronde Brut】

クラマンをメインにシュイイ、アヴィーズのブドウを使用。
シャルドネ100%。

>> ランスロ・ピエンヌについて


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東京都港区麻布十番2-3-6
FLEG麻布十番primo 3F
TEL : 03-6435-3987
Instagram:https://www.instagram.com/azabu_bar_groom/
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確固たるグランクリュの王の地位を持つアイ村、リシャール・フリニョー

17あるシャンパーニュのグランクリュのうち、いち早くこの格付けに認定された村のひとつがアイである。ヴァレ・ド・ラ・マルヌに位置するこの小さな村は、昔から最高のピノ・ノワールを生む土地として、王侯貴族や法王の寵愛を受けてきた。また現在では、ボランジェやドゥーツ、ゴッセなど著名生産者の拠点としても知られている。同じくグランクリュであり、偉大なピノ・ノワールの地として双璧をなすヴェルズネイの魅力が北向き斜面が生む精緻な酸や伸びやかさ、堅牢な骨格だとすれば、アイは南向き斜面の豊富な日照を感じさせるふくよかな果実と大らかさ、芯が詰まった濃密さでグランクリュの王の地位を確固たるものにしている。

1905年にシャンパーニュ造りを開始したリシャール・フリニョーは、アイ(3ha)とすぐ東隣のプルミエ・クリュ、マルイユ・シュル・アイ(0.5ha)に畑を所有する造り手である。元々エペルネの栽培家だったが、1918年にポテンシャルを見込んだアイに拠点を移し、現在に至る。かつては自社畑からシャンパーニュを造る一方、ネゴシアン部門も運営していたが、幼少の頃よりシャンパーニュ造りの手ほどきを受けてきた4代目の女性当主ナデージュ・リシャール・フリニョーは所有畑のテロワールをより反映したクオリティの高いシャンパーニュを求め、現当主5代目である息子のジェムスとともに1998年からレコルタン・マニピュランのみに専念している。自然な果実をシャンパーニュに留めることをモットーに、栽培にはリュット・レゾネを採用。ベースワインの醸造では、果汁は一番搾りのキュヴェのみ用い、ブドウが本来持つ酸を変質させないよう、マロラクティック発酵は行わない。

非常に小規模な蔵ゆえに知名度は低いが、これまで8,500種以上のシャンパーニュを試飲してきた前述の評論家リチャード・ジューリンが「最も心に留めているシャンパン・ハウスのひとつ」と3ツ星評価する優れた造り手である。彼は著書の中でリシャール・フリニョーをこう評している。「オークは使っていないが、フリニョーのワインのリッチさはボランジェを思わせる。このシャンパーニュは、酸フェチやワインの中にエレガンスを見出そうとしている人向きではない。フリニョーが偉大なのは、この小さな町からのものにちょうどあるべきパワーと味わいの豊かさを基としていることだ」。彼の言葉通り、リシャール・フリニョーの魅力は豊かな果実と大らかさ。アイの特性を十二分に発揮したシャンパーニュなのである。

2015年より、マルイユの畑のブドウは全てネゴシアンへ販売し、さらなる高品質を目指すべくアイのブドウのみを使用したシャンパーニュ造りに方向を転換。この頃から遺産相続で兄弟ともめており、ジェムスは自分のシャンパーニュを造り続けるため母ナデージュと二人体制となる新生リシャール・フリニョーを2018年に設立。さらに非常に小規模であるが個人名を冠した二つのワイナリー(ジェムス・リシャールとナデージュ・フリニョー)も作り、プレステージキュヴェの生産に情熱を捧げている。ますます注目度の高まる彼らのシャンパーニュを決して見逃してはならない。

NV リシャール・フリニョー ペルル・ダイ

【NV Richard Fliniaux – Perle d’Ay】

アイのブドウのみをブレンドしたグランクリュにふさわしいふくよかなシャンパーニュ。
ピノ・ノワール 50%、シャルドネ 50%。ドサージュ8g/L。

>> リシャール・フリニョーについて


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美しい酸とミネラル、ピュアな力強さを持つシャンパーニュを造る期待の生産者、ジャン・ルイ・ヴェルニョン

ほぼ2世紀にわたる5世代の間、家族経営によって守られてきたJLヴェルニョンはグラン・クリュのメニル・シュール・オジェ村に位置しており、畑はメニルを中心にオジェ、アヴィーズに計5.3haを所有している。2002年より醸造責任者となったクリストフ・コンスタンが栽培・醸造の根本的な改革を行うことで、年々目覚ましい発展を遂げている大注目株のワイナリーのひとつである。

一般的にメニルのシャルドネは鋭く厳しい酸と細く硬いミネラルを持ち、飲み頃を迎えるまで時間がかかる。そのため、若い内はなかなかその魅力を楽しむことができず、通常は酸を柔らかくするためにマロラクティック発酵を行う。しかしながら、ヴェルニョンのシャンパーニュの最大の魅力は「早い段階から美味しく飲むことができる」ことであり、その秘密は「十分に熟したブドウを使う」という点にある。一見普通の言葉だが、クリストフの意味するところは他とは一線を画している。なぜなら、彼はメニルの個性を活かすため、マロラクティック発酵を一切行わずに鋭い酸と硬いミネラルを最大限に引き出し、それでいてそれらに負けないだけの豊かな果実味を持つ熟したブドウを育てているからである。この一見矛盾した二つの面を両立させることで、メニルの魅力が見事に詰まった、若い内から楽しめるシャンパーニュを造り出すことができるのだ。

「良いワインが良いシャンパーニュを造る」という非常にシンプルな考えを持つ彼、畑ではビオを意識しながらサスティナブル農法を実践。殺虫剤の使用を極力抑え、入念なカバークロッピングを行うことで収量は自然と低くなると語る。収穫は手摘みで行われ、伝統的な垂直プレス機での圧搾後、一部のキュヴェを除いて発酵は全てステンレスタンクで行われる。「ブドウの収穫後すぐに頭の中でイメージが完成している」というアッサンブラージュは翌6月に行われ、その後7月には全てのキュヴェを同時にボトリング。キュヴェごとに3~5年後の熟成を経た後に手作業によるデゴルジュマンが行われ、ドサージュは最小限に抑えられる。このようにして造られるヴェルニョンのシャンパーニュは、シャープな酸とミネラルが織りなすメニルの気品と、生命力あふれる活き活きとした果実味の共存を十分に味わうことができるものである。

自身のシャンパーニュを一言で“Salinité” (塩気)と表現する彼のシャンパーニュはIWC誌からもその力強い直線的なミネラルが称賛され、WA誌でもとりわけその美しい酸とミネラルに由来する味わいのクリアさやブドウのピュアな力強さが大絶賛されている。著名なシャンパーニュ評論家のリチャード・ジューリンはクリストフの功績による近年のヴェルニョンの品質の向上ぶりに感嘆して4つ星を与え、とりわけ彼のシャンパーニュの熟成への期待が語られている。

現在クリストフは退職し、その後醸造責任者となったのはジュリアン・グゥ。クリストフ同様、ミネラルと畑での作業を一番に考えるジュリアンはセロスやテタンジェ、アンリ・ジローといった名だたるワイナリーで研さんを積んできた。ヴェルニョンの更なる品質向上に余念のない彼の今後の活躍にシャンパン愛好家たちの期待が高まっている。

NV ジャン・ルイ・ヴェルニョン コンベルサシオン・ブリュット

【NV J.L. Vergnon – Conversation Brut】

メニル、オジェをメインにアヴィーズからのブドウを使用。若いウォールナッツのフレーヴァー。アタックは生き生きとしており、口の中では固く直線的な酸による良い緊張感がある。
シャルドネ100%。ドサージュ5g/L。

>>J.L. ヴェルニョンについて


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『ソレラ熟成』のリザーヴ・ワイン、ユレ・フレール

モンターニュ・ド・ランスの東、「ベレッシュ」など実力者が多いリュ―ド村。
「ユレ・フレール」はこの村で1960年代から家族経営を続ける歴史ある造り手。代表を務めるのは30代の 「フランソワ・ユレ」。 フランス国内や海外で多くの経験を積んだ後に2008 年より当主となった。
「フランソワ」の代になってから、品質が一気に向上。次々と各評価誌に掲載され、フランス国内、特にソムリエからの人気は高い。 (ワイン・スペクテーター誌では全てのキュヴェが90ポイント以上の高い評価を受けている)

《小区画毎に最適な醸造を》
ディジョン大学で醸造学を学んだ後、シャンパーニュでは「フルーリー」、ブルゴーニュでは「オスピス・ド・ボ ーヌ」、「シャプティエ」。更にニューワールドと世界各地でワイン造りを学んだ。特に大きな影響を受けたのがブルゴーニュとニュー ジーランドだった。

『ブルゴーニュで区画毎のテロワールと伝統的醸造法をリスペクトする事の重要さを学んだ。反対にニュージーランドでは既存のルールにとらわれず新しい手法に挑戦する精神を学んだ』

シャンパーニュに戻ったのは2003年。その後彼の意見により葡萄畑の作業が大きく変えられた。除草剤の使用を減らしていき、一部はビオディナミを取り入れ自然に近い農法を取るようになった。また醸造面でも多くの改革を行っている。特徴は統一した手法を使うのではなく、区画毎に最適の手法を選択している点。

以前は全てのキュヴェで同じ醸造を行っていた。しかし区画毎の個性をより引き出す為に、その個性に合わせて醸造を変える必要があることに気付く。マロラクティック発酵の有無や発酵期間や温度、全てキュヴェ毎に変えている。

『ここ数年の気温上昇に合わせてブラン・ド・ブランに使用するワインはマロラクティック発酵を行わないことにした』

リュード村の特徴的な強い石灰層で育つシャルドネの鉱物的な魅力を十分に表現する為にはマロラクテ ィック発酵を行わずにフレッシュな酸を下支えにする必要があると考えている。

《ソレラによるリザーヴ・ワイン》
『現在、10haの葡萄畑を管理している。祖父が亡くなった後、相続によって父と2人の兄弟に分けられた為、叔父たちの畑の葡萄は購入して醸造している事になるが実際の畑の管理は僕がやっている』

その為、区分上は「ネゴシアン・マニピュラン」となるが実際は「レクルタン・マニピュラン」。「ヴィルドマンジュ」、「ブルイエ」等複数の村に畑を所有しているが中心となるのは本拠地、プルミエ・クリュで最も注目されている「リュ―ド村」。東側はグラン・ク リュ「マイィ・シャンパーニュ村」が隣接する。

40cm程しかない表土は粘土が主体。下層には石灰が多く含まれる白亜紀の土壌。石灰含有率が非常に高く、造り手の間でも硬質なシャルドネの産地として近年注目が集まっている。

『ノン・ヴィンテージのブリュット・レゼルヴ・ランヴィタシオンに加えるのは特別なリザーヴ・ワイン。1982年からソレラで熟成させたもの。毎年 1/3 を残して新しいヴィンテージを継ぎ足していく』

複数ヴィンテージが合わさる事でバランスが良いのにも関わらず、複雑な味わいが実現できる。ノン・ヴィンテージが驚くほど複雑でレベルが高いのが「ユレ・フレール」の大きな特徴。 他では真似できない 80年代から続けられているソレラのお陰なのだ。