精細を極めたシャンパン造りの最高のお手本、アグラパール

【2009 Agrapart et Fils – Blanc de Blancs Avizoise Extra Brut Grand Cru】

コート・デ・ブランの自家栽培醸造家のなかで、この10haのドメーヌほどメディアに取り上げられ、またそれに値するものはない。その理由は、ここが精細を極めたシャンパン造りの最高のお手本であり、そのブドウがどこよりも美しく几帳面にしつらえられたブドウ畑から生まれるものだからである。ワイン造りも同様で、ひとつひとつの小さなキュヴェ同様、ブレンドして生まれるシャンパンも新鮮で焦点のしっかり合ったものでなければならないという明確な意識の下、オーク樽がワインに及ぼす有益な酸化作用が綿密に計算されている。醸造家のパスカル・アグラパールは言う。「私は、土壌に対する姿勢はブルゴーニュ的だが、ワイン造りにおいては極めてシャンパーニュ的だ。」この精密なラインから生み出されるシャンパンには、だらしなさや過抽出のかけらも見当たらない。

19世紀末にパスカルの曾祖父のアルチュール・アグラパールによって開かれたドメーヌは、現在オジェ、クラマン、オワリィ、アヴィズなどのグランクリュ・シャルドネ畑に合わせて60区画ほどを所有している。さらにベルジェル・レ・ヴェルチ、アヴネイ・ヴァル・ドール、マルドゥイユにもある。ブドウ樹の平均樹齢は理想的な35歳であるが、なかには60歳にも達する区画もある。土壌はブドウ樹の微生物学的生育を最大限助長するように手入れされており、その結果その根は直接岩盤に到達し、そこから存分にミネラルを吸収している。それによって、テロワールの神秘的な風味がワインに注入される。アグラパール家の頭と心には、全ての畑の特徴がしっかりと刻みこまれている。ここではビオディナミに関する説教じみた話は聞かれないが、ブドウに対するホメオパシー療法、有機肥料の使用などそれに近い生育方がとられている。ブドウ畑ではパリサージュ(枝の誘因、固定)が手作業で入念に行われているが、これは風邪や太陽の作用を促進するためである。それらの自然要素は、灰色カビ病やうどんこ病、べと病などの疫病の発生を防ぎ、人為的な治療の必要性を少なくする。収穫ももちろん手作業で、厳密に選んで選果し、最高に成熟させるために収穫をギリギリまで延ばす。

ワイン造りも精緻を極め、ワインの構造と重さに合わせて綿密に醸造方法を微調整している。グランヴァンは大きいほうのオーク樽を使うが、目的は木の香りを加えることではなく、管理された酸化を行うためである。より芳醇なワインを造るためには、温度調節をされたステンレス槽を使う。最終的にシャンパンの安定性と複雑さを増すため、マロラクティック発酵は行っている。一般にドサージュは低く控えめで、蔗糖を使い、リリース前3か月に行われ、瓶詰めとデゴルジュマンの日付は裏ラベルに明記されている。

入門者レベルのブラン・ド・ブランは一家の所有している全村のブレンドで、その名もレ・セット・クリュという。このブレンドに使われるブドウはすべて若く、そのため果実味に主眼がおかれ、通常のドサージュで強調される。ヴィンテージ・シャンパンのミネラルはアヴィズ(レ・シャンボタン)とクラマン(レ・ビオネ)の最高のブドウを使い、醸造はドゥミ・ミュイとステンレス槽の療法を使う。これらの特権的ブドウ畑の個性を最大限発揮させることが目的である。偉大な2002年ヴィンテージにはアヴィズとクラマンの卓越したミネラルとフィネスが素晴らしい精妙さのなかに渾然一体となって表現されている。対照的に2002年のキュヴェ・ヴニュは、アヴィズ村の精髄ともいうべき24haのリュー・ディ”ラ・フォッセ”の100%から造られる。その畑では機械を一切使わず、人と美しい雌白馬のヴニュが一緒になって畑を耕す。醸造はすべて樽で行われ、ブドウの年齢とヴィンテージの豊かさのおかげか。砂糖を加える必要は全くない。同じく2002年のラヴィゾアーズは一家の最高級ブランドで、今回は粘土とチョーク質の土壌が特徴リュー・ディ、レ・ロバールとラ・ヴォア・ド・エペルネのブドウを用いている。

これはアグラパール軍団のなかで最も長く熟成し、その凝縮感からアヴィズの最高傑作と言われ、価格以上の価値を持つシャンパンとなっている。

《Blanc de Blancs Avizoise Extra Brut Grand Cru》
アヴィズ村の丘に植わる樹齢50年の2区画(Les Robarts, La Voie d’Epernay)から造られる。粘土粘土質で表土が厚い土壌を持ち、常に骨太でリッチな味わいとなる。発酵・醸造は100%樽で行われ、王冠ではなくコルクにて瓶熟成。


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変革をとげ、年々品質向上を遂げるワイナリー、カンティーナ・ディオメーデ

1903年設立のディオメーデは、プーリア州、カノーサ・ディ・プーリアに位置します
昔からディオメーデのワインは地元の人に愛されていましたが、幼馴染の2人の現オーナー達が1988年にワイナリーを引き継いでからは、この土地のテロワールが表現された、さらに高品質なワインを造ることを信念としてきました。ディオメーデがこのブドウから最新の醸造技術を駆使し造ったワインは、品質向上の一途をたどり、今やイタリアのワイン業界でも大きな話題となっています。

前オーナーが年齢的にワイナリーの経営が困難になり、後を引き継いだのがルイジとサビーノの幼馴染2人でした。地元のブドウ栽培農家で育ち、幼い頃から友達だった2人。成人後もワインを心から愛し、またいつか自分達でワインを造りたいと思っていました。念願であった最高条件の畑とワイナリーを譲り受けた2人は、「この土地のテロワールが表現された、さらに高品質なワインを造ること」を信念とし、改革を実行。畑の修復・改善に加え、最先端の施設と技術を導入。結果、この地区で一番の高品質ワインの生産者として知られるようになりました。

イタリアワイン界で最も有名な女性醸造家の一人、テヌータ・ディ・ギッツァーノ

ギッツァーノの土地は1370年からペッショリーニ伯爵家が所有する由緒正しい農園で、当時はオリーヴなどの農作物が主体でした現在で、26世代に亘る非常に歴史の深い農園ですその家系を遡ると、祖先の一人に「ナンブロ伯爵」という人物がおり、カール大帝の騎士だということが分かっています。1980年代以降、多くの蔵が低品質のワインを大量に生産し始める中、「納得のできる本物のワイン」を目標に掲げ本格的に畑、カンティーナの改良を始めました。

ジネーヴラ・ヴェロネージ・ペッショリーニ氏が1996年にワイナリーを引き継いだ当時、屈強な男たちが働くワイン業界で、女性の進出は非常に珍しいことでした。当時から醸造家として活躍してきた彼女ですが、今ではイタリアワイン界で最も有名な女性醸造家の一人としてガンベロ・ロッソ誌にて高く評価されています。ワインアドヴォケイト誌でも、ピサのエリアで一番初めに秀逸なクオリティーのワインを造った先駆者として紹介されており世界中から注目されている生産者です。

ヴェロネージ・ペッショリーニ家では350haもの土地を所有しており、うち20haがブドウ畑となります地中海からは35kmほど内陸の小高い丘にあり、土壌は海中で形成されたもので砂、粘土、そして化石を多く含んでいます。ブドウ畑の他に、オリーブ畑が20ha、農地が150ha、残りの160haは森になっています。美しい大自然に囲まれたワイナリーです。

ジネーヴラ・ヴェロネージ ペッショリーニ氏は、美しき自然を大切にしたワイン造りを行っています。試行錯誤の末2003年からはオーガニックの認証を取得、2006年からはビオディナミ栽培に踏み切ります。コンサルタントには、名匠カルロ・フェッリーニ氏を起用。この地は比較的砂の多い土壌のため、軽いサンジョヴェーゼというイメージが離れず、これまでキアンティのサブリジョンとして見られてきましたが、ギッツァーノが植えたボルドー品種により歴史が塗り替えられました。
ブドウ畑の約半分はサンジョヴェーゼ種を植えており、その他、カベルネ・ソーヴィニヨン種、プティ・ヴェルド種、カベルネ・フラン種を栽培。また少量ですが、ヴェルメンティーノ種なども栽培しています。伯爵自ら矢面に立ち、真剣に農業に取り組んできたギッツァーノ。その努力と情熱が、人々の心を温かくするギッツァーノのワインを産み出したといえます。

古き良きブルゴーニュの面影を今なお残すサントネそのものの味、フィリップ・ジャノ

行政区画上の県としてのコート・ドールの最南端の村となるサントネは、生産されるワインの85%が赤という、赤主体のアペラシオンである。かつての評価は今よりもはるかに高く、19世紀前半には現在の約1.5倍となる500ha近い畑からワインが造られ、ヨーロッパ各地で楽しまれていた。今日では、その栄光は忘れられがちだが、シャサーニュ・モンラッシェの丘陵から地続きの地勢や、コート・ド・ニュイに似た地層を持つサントネが、ブルゴーニュが誇るピノ・ノワールの銘醸地であることは疑いようがない。
マット・クレイマーは著書の中で、サントネはおいしい赤の産地であり、その価値は食事との相性での中ではかられるべきだと述べている。

1995年に設立されたフィリップ・ジャノは、所在地こそ近隣のサン・セルナン・デュ・プランとなるが、サントネを中心にワインを手掛けるドメーヌである
設立者のヴァレリーとフィリップ・ジャノ夫妻は、彼らの叔父の一人が運営する醸造所で醸造家として働きつつ、ワイン造りのノウハウを学び、少しずつ畑を買い足し、独立を果たした。現在では、所有畑は10haまで広がり、2人の息子のカンタンもワイン造りに参加している。

栽培では土壌の自然なバランスを尊重し、リュット・レゾネを採用。殺虫剤などの薬剤の使用は最小限に抑え、畑の余分な雑草は除草剤ではなく草刈り機で除去する。また、収量制限のために、全ての区画でグリーン・ハーヴェストや除葉を実施している。健全でクオリティの高いブドウを得るためには、1年365日、畑仕事は欠かせないという。

醸造面では抽出はあくまでソフトに行い、単純な濃さではなく、素直な果実の風味を追及している。畑とセラーで計2回選果した後、完全除硬したブドウをステンレスタンクで約1週間低温浸漬させ、自然酵母で10-14日間アルコール発酵。低い圧力でプレスした後、バリックで10-12ヶ月間熟成させる。

温泉地としても知られるサントネは、きらびやかな発展を遂げる前のコート・ドールの風景を思い起こさせる村ともいわれる。フィリップ・ジャノのワインはまさしく、古き良きブルゴーニュの面影を今なお残すサントネそのものの味がする。どこか素朴な雰囲気が漂う、素直なおいしさを備えた香り高いピノ・ノワールだ。
彼らのサントネは、「望み通りのピノらしいサントネ」というコメントともに、初掲載のギド・アシェット2015年度版で1ツ星を獲得している。

【栽培】
リュット・レゾネ。殺虫剤などの薬剤の使用は最小限に抑えている。畝の間には緑を残し、除草剤ではなく機械で雑草を刈っている。健全でクオリティの高いブドウを得るため、グリーン・ハーヴェストや除葉を全ての区画で行う。

【醸造】
手作業で収穫。選果は収穫中とセラーの計2回。100%除硬し、果実の風味を全てに引き出すために、ステンレスタンクで6日間の低温浸漬を行う。自然酵母で10-14日間アルコール発酵を行った後、空気圧式のプレス機で低圧力で圧搾し、ワインをバリックで10-12ヶ月間熟成させる。

世界が注目のカベルネ・フランの使い手、シャトー・ロック・モリアック

1975年、アントル・ドゥ・メールのラニェ(サン・テミリオンとドルドーニュ河を挟んで向かいに位置)にエレーヌ・レヴュー氏によって設立されたシャトー現当主、ヴァンサン・レヴュー氏で2代目となり、歴史はまだまだ浅いシャトーです
シャトー・ロック・モリアックが世界的に知られる転機となったのは、2003年にヴァンサンがシャトーを引き継いだこと、そして、ワインメーカー・オブ・ザ・イヤーにも輝いたことのある敏腕コンサルタント、オリヴィエ・ドーガ氏とのコラボレーションをスタートさせたことです。サン・テミリオンの向かいという高いポテンシャルを持ったテロワールと、オリヴィエ・ドーガ氏の経験値、そして当主ヴァンサン・レヴュー氏の若いインスピレーションが融合し、かのデキャンター誌からも注目されるワイナリーへと変貌を遂げたのです。
彼らを見守る、50ヘクタールの畑に囲まれたこの美しいシャトーは、20世紀初頭に建てられたものです。

彼らのワインを一口飲めば、サン・テミリオンにほど近いこの粘土石灰質土壌の畑が、とても高いポテンシャルを持っていることがすぐに分かるでしょう。しかし、美味しさの秘密はテロワールだけにありません。ロック・モリアックの特徴として、メルローの比率が高いアントル・ドゥ・メールでは珍しく、カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨン種の比率が高いことが挙げられます。メルロー種は早熟なため、一般的に栽培がしやすい品種です。またフルーティーで柔らかい味わいのワインに仕上がるため、「質より量」を重視されがちだったアントル・ドゥ・メールではメジャーな品質です。対してカベルネ種は、メルローに比べて熟すのに時間がかかり、タンニンが出やすく、どちらかと言うと「硬い」ワインに仕上がります。「飲みやすくてお手頃」なイメージが強いアントル・ドゥ・メールでは、比較的敬遠されがちな品種なのです。しかしヴァンサンはカベルネ種、特にカベルネ・フランにこだわります。デキャンター誌のインタビューで彼はこう語っています。『多くのワイナリーが、ファースト・ワインにはカベルネ・ソーヴィニヨンとメルローをメインの品種にしている。実際、大学でもその二つをどう活かすかを教えてこられたからね。でも私は、カベルネ・フランで同じことをすることに意味があると思っているし、カベルネ・フランが、それら二つの品種と同じように素晴らしい輝きを放つ品種であることを伝えたいんだ。補助品種や、ロゼ用品種ではなく、ね。』

その言葉は、ワインにも表れています。ワイナリーのメイン・ブランド、「シャトー・ロック・モリアック(正式名称はRoques Mauriac Grand Vin)」シリーズでは50%もカベルネ・フランを使い、さらにフラッグ・シップとなる「ダムナシオン(Damnation)」では85%と非常に高いカベルネ・フラン比率です。そして彼の言葉は現実のものとなります。85%カベルネ・フランを使用したダムナシオン2005ヴィンテージ(なんと2ヴィンテージ目)が、デキャンター・ワールド・ワイン・アワードで、数倍の値段がつく格付けシャトーたちを抜いて金賞を受賞したのです。世界の目は一気に、ヴァンサン・レヴュー氏に注がれることになったのです。彼らが目指すのは、お客様に“フレンドリー”なワインを届けることです。それは、果実味がたっぷりと詰まったモダンなワインでありながら、ボルドーらしい、「クラシックでエレガント」なニュアンスも秘めた、誰もが楽しめるワインということ。そのために最も大切にしていることは、ブドウの凝縮度です。常にブドウ樹に目を光らせ、最高のブドウが収穫されるための準備を怠りません。ヴァンサンは自身のワイン哲学について、こう語っています。『私が大切にしていることは、やはりボルドーのアイデンティティを守ることです。と同時に、人とは違うことに挑戦し続けたいとも思っているよ。もしそれで異端児扱いされたとして、私は全く構わないよ』