ミシェル・コラン・ドレジェの後継ドメーヌ、フィリップ・コラン

【2014 Chassagne Montrachet Blanc – Philippe Colin】

ドメーヌ・ミシェル・コラン・ドレジェのミシェル・コランが2003年に引退し、ふたりの息子、フィリップとブリュノはそれぞれ独立
長男のフィリップは父ミシェルの新しい醸造施設を引き継ぎ、醸造家のジェラルディーヌ・ゴデを右腕としてブドウ栽培とワイン醸造に従事している

フィリップが所有するブドウ畑は9ha程度だが、これに加え、2.5ha分ほどのワインをネゴスとして生産。
アペラシオンは当然、お膝元のシャサーニュ・モンラッシェが中心で、ショーメ、シュヌヴォット、ヴェルジェ、モルジョなどの1級畑を所有。
サントーバンやサントネイ、マランジュにも畑をもつ。

ただし、このドメーヌでもっともきらびやかに光り輝くのは、ピュリニー・モンラッシェにあるふたつのクリマ、特級シュヴァリエ・モンラッシェと1級ドゥモワゼルだ。
シュヴァリエ・モンラッシェは一族の所有面積が計0.30haあり、このうち0.07haはいまだミシェルがワイン造りをしているが、残り0.23ha分をフィリップが栽培、醸造している

ドゥモワゼルはカイユレの南端に位置する0.6haのクリマで、小道を挟み向こうはモンラッシェ
所有者は3軒しかなく(ほか2軒はギィ・アミオとミシェル・コランの従兄弟のベルナール・コランだったが、後者は2007年にミシェル・ピカールに畑を売却)、フィリップ・コランが所有するのはこのうちの0.1ha。
年にわずか2樽しか出来ない、幻のワインである

白ワインの醸造は、アルコール発酵をステンレスタンクで始め、半分くらいまで発酵が進んだところでオーク樽に移す
気温の低いシャブリでよく見られる手法だ。
熟成期間は12〜15ヶ月。近年は228Lのブルゴーニュ樽のみではなく、400〜500Lの中樽も使い、樽香に支配されるのを避ける傾向にある。パワフルさよりもむしろエレガントなスタイル。

シャサーニュの造り手なので赤ワインの生産量も多く、こちらは柔らかな果実味とともにしっかりとした骨格が感じられるタイプである。

品種:シャルドネ


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高い新樽率でも若いうちから楽しめる心地よさが人気のドメーヌ、レシュノー

【2009 Morey-Saint-Denis – Philippe et Vincent Lecheneaut】

フィリップとヴァンサンのレシュノー兄弟が運営するこのドメーヌは、1986年創業の若さながら瞬く間に高評価を得て成長した
今はなきモランというネゴシアンで働いていた父、フェルナンがふたりに残した畑はわずか3ha。それを18アペラシオン(年によって変動あり)、およそ10ヘクタールの規模にまで拡大させたのだ。

ニュイ・サン・ジョルジュを拠点とするドメーヌだが、畑はさまざまな村に点在。
マルサネ、ジュヴレ・シャンベルタン、モレ・サン・ドニ、シャンボール・ミュジニー、ヴォーヌ・ロマネ、ニュイ・サン・ジョルジュ、ショレイ・レ・ボーヌ……、そしてオート・コートにも。

ブドウ栽培は事実上のビオロジックで、いくつかビオディナミ的な調合物も使っている。しかし、認証を得るつもりはまったくない。
醸造方法をみると、原則的に100%除梗だがヴィンテージとクリマによってはいくらか梗を残す。10〜12度の低温マセレーションを4、5日続けた後、自然にアルコール発酵。トータルで3週間のキュヴェゾンを行う。
その後、およそ16ヶ月の樽熟成。村名ワインでも新樽率は50%と比較的高く、ニュイ・サン・ジョルジュを例にとると1級レ・ダモードは70%、プリュリエは100%に上がる。これだけ高い新樽率も、ワインの凝縮度に自信があるからにほかならない。

近年の変化は、村名のニュイ・サン・ジョルジュ・レ・ダモードが、2011年より1級レ・ダモードになったこと
ヴォーヌ・ロマネとの村境に位置するこのクリマは上が村名、下が1級で、レシュノーはそれぞれ0.3haと0.7ha所有しており、以前はふたつをアッサンブラージュして村名のレ・ダモードとしていた。この村名部分を畑名なしのニュイ・サン・ジョルジュに混ぜ、レ・ダモードは晴れて1級を名乗ることになったのだ。
また2007年にモレ・サン・ドニの斜面上部に植えたシャルドネは、これまでブルゴーニュ・ブランとしてリリースされてきたが、2012年よりモレ・サン・ドニ・ブランとなる

レシュノーのワインは果実味豊かで丸いタンニン。若いうちから楽しめる心地よさが人気の秘訣だ。

《Morey-Saint-Denis》
よく熟したラズベリーやブラックベリーの果実香に甘草を思わせるスパイシーなニュアンス。凝縮感に富み、豊かな果実味が感じられる一方、やや骨太な印象のストラクチャー。飲み応えのある村名モレ・サン・ドニ。

品種:ピノ・ノワール


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新たに特級畑や1級畑を増やし成長を続けるモレ・サン・ドニの雄、デュジャック

【2012 Morey-St.-Denis – Dujac】

今やモレ・サン・ドゥニを代表する大ドメーヌとして勇名を馳せるドメーヌ・デュジャックしかし、その歴史はわずか45年に過ぎない

創設者のジャック・セイスはベルギー出身で、ドメーヌ創設の前に2ヴィンテージをブルゴーニュで過ごし、ジェラール・ポテルの元、ドメーヌ・プス・ドールでワイン造りを学んだ。その間に、DRCのオベール・ド・ヴィレーヌやアルマン・ルソーのシャルル・ルソーらと親交を深めている。そして1968年に4.5haのドメーヌ・グライエを買い取り、自らの名前、ジャックをもじってドメーヌ・デュジャックと名付けたのだ

現在はジャックの息子、ジェレミーとアレックがそれぞれ醸造と販売を担当し、ドメーヌを実質的に引き継いでいる。ジャックの妻もジェレミーの妻もアメリカ人で、ジェレミー夫人ダイアナは醸造学を修めたエノローグである。
2000年にジェレミーは父のサポートの元、ネゴシアンビジネスを開始。その名も「デュジャック・フィス・エ・ペール」という。会社名として「ペール・エ・フィス」(父子)という表記はよく見かけるが、「フィス・エ・ペール」(子父)は珍しい。中心となるのが息子であることの証である。このデュジャック・フィス・エ・ペールは、ネゴシアンといっても単に畑が自分たちが所有していないだけ。畑の管理や手入れ、ブドウの収穫までドメーヌのスタッフが行う。ブドウの購入契約は量に応じてではなく面積単位。したがって収量制限も思い通りとなる。したがって、実質的にはドメーヌものと変わらないものの、ドメーヌとネゴスで重複するアペラシオン(例えば村名モレ・サン・ドニ)があってもそれぞれ別々に醸造、瓶詰めされる。

2005年にはヴォルネイのドメーヌ・ド・モンティーユと共同でドメーヌ・トマ・モワイヤールを買収。これにより、ドメーヌのポートフォリオは一層華やかさを増し、シャンベルタンとロマネ・サン・ヴィヴァンが増え、グラン・クリュだけで7つとなった。もともと所有していたボンヌ・マールとヴォーヌ・ロマネ1級のボーモンは面積が増し、ヴォーヌ・ロマネでも最高の1級畑と謳われるマルコンソールには新たに1.57haという広い面積を所有することになった。栽培では1987年からリュット・レゾネをとり、2001年からは徐々にビオロジックへと移行現在はビオディナミ農法を大半の畑で採用している

またドメーヌはコート・ド・ニュイでは珍しい白ワインの造り手でもある。1985年の霜害で村名モレ・サン・ドニの一部が枯死したのを機会にシャルドネを植え、モレ・サン・ドニ・ブランとしてリリースしたのが始まり。さらにはモレ・サン・ドニ1級モン・リュイザンに入手した0.6haの畑にもシャルドネを植え、2000年から白ワインを送り出している。

ジャック時代のワイン造りは完全無除梗による全房醸造がこのドメーヌの特徴であり、梗が色素を吸収するためワインの色調は比較的淡く、しかしながら香りと味わいはしっかりしているというものだった。ジェレミーになってからはヴィンテージに応じて除梗率を変え、以前よりも色合いはしっかり、果実味も充実したものとなっている

《Morey-St.-Denis》
村名モレ・サン・ドニはおもにシャンボール・ミュジニー寄りのポルーに、クロ・ソロンのブドウをアッサンブラージュ。非常にバランスに優れたデュジャックらしいワインであり、果実味、酸味、ストラクチャーのコンビネーションは絶妙。デュジャックを知るなら、まずこれからというべきワインだ。

品種:ピノ・ノワール


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