気品溢れるクラシックスタイルのシャサーニュ・モンラッシェ最高峰ドメーヌ、シャトー・ド・ラ・マルトロワ

バタール・モンラッシェをはじめ、シャサーニュ・モンラッシェの錚々たる1級畑を所有するドメーヌ、シャトー・ド・ラ・マルトロワ。ブルゴーニュの第一人者と言われるイギリスのジャスパー・モリス氏の著書「ブルゴーニュ大全」ではシャサーニュ・モンラッシェを代表する生産者の一つとして紹介されています。

シャサーニュ・モンラッシェ村の中央、クロ・デュ・シャトーやモルジョなどの一級畑を見下ろす斜面に位置する洋館、シャトー・ド・ラ・マルトロワ。15世紀に造られたこのシャトーを、1940年にコリュニュ家のダニエル・ピカール氏が購入し、1992年から現当主である孫のジャン・ピエール・コルニュ氏が引き継いでいます。建物は当時のまま完全な状態で保存されており、古式豊かな内装や外観が独特の雰囲気を演出。また、当主のジャン・ピエール・コルニュ氏はモダンアートの愛好家でもあり、事務所や庭にはそのコレクションが並び、シャサーニュ・モンラッシェ村の中で異彩を放っています。

ドメーヌが所有する畑は全15ha。そのうち白が8.5ha、赤が6.5haと赤白両方のワインを生産しています。シャトー・ド・ラ・マルトロワの最大の魅力は、なんと言っても所有する畑の豪華さ。唯一所有するグラン・クリュ、バタール・モンラッシェはもちろんのこと、特にシャサーニュ・モンラッシェの中でも目を見張る素晴らしい1級畑を多く所有しています。中でも注目はかつてモンラッシェに格付けされていたとされる僅か0.2haのみ所有するラ・ダン・ド・シアンと、シャトーの前に一面に広がる赤白の両方を手掛けるモノポール(単独所有畑)、クロ・デュ・シャトー・ド・ラ・マルトロワです。これらはドメーヌを代表する畑であり、クロ・デ・シャトーについては、厳しい評価誌で知られるフランスの旧クラスマンにて「シャサーニュ・モンラッシェにて1.2を争う傑作である」と高く評価されています。

【畑の個性を引き出す丁寧なワイン造り。シャサーニュ・モンラッシェの本質を捉えた気品漂うスタイル。】
シャトー・ド・ラ・マルトロワのワイン造りは、畑ごとの性格の違いが明確に表現されているのが特徴。畑はリュット・レゾネ(減農薬栽培)を取り入れ、鋤で工作。ブドウの収穫時期は100日目と決めてますが、これはブドウ樹の開花後の100日ではなく、裏庭のユリの花が開花してからとのこと。コルニュ氏の祖父の代からの教えであり、今でも忠実に守られてます。

1970年代まではワイン造りを他の醸造元に任せていた時期もありましたが、1980年台からは自分たちの手で醸造を行うようになりました。かつては実験的にアメリカンオークを使用したり、バトナージュ(熟成中に澱を撹拌すること)を多く行ったりと試行錯誤した時期もありましたが、現在はブドウ造りに重点を置いた、極力人の手を介さないクラシックな造りに回帰しています。

白ワインは天然酵母を使いタンクで低温発酵させ、発酵が終わる直前に樽へ移行。新樽率は、村名で20%、1級畑で3分の1(1級畑の中でも一部の畑は3分の2)、バタール・モンラッシェについては100%使用。樽はキュヴェごとのスタイルを総合的に分析し、6つの樽会社からそれぞれに合うものを選んで使用しています。
赤ワインは除梗し、発酵前低温浸漬を経て、自動的にピジャージュできる水平タンクで発酵。収穫直後、澱引きして樽に入れ、新樽比率30%にて熟成。年明けに瓶詰めを行います。

こうして造られるワインは、白ワインはシャサーニュ・モンラッシェの特徴が顕著に表現された、ミネラリーで骨格がしっかりとしたコクのある味わい。対して赤ワインは、赤系果実のアロマとよく熟した旨味あるタンニンのバランスが心地良い、華やかなスタイル。両者ともシャサーニュ・モンラッシェの本質を熟知した生産者だからそこ生み出せる、余韻が美しく重厚感がありながらも、重たさを感じさせない気品に満ちたスタイルに仕上がっています。