入念な畑仕事でボランジェにもブドウを供給しているRM、ヴーヴ・オリヴィエ

ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区のトレルー・シュル・マルヌに構えるヴーヴ・オリヴィエは、1922年の創業のレコルタン・マニピュランである。醸造所の歴史は、エドモン・ブダンが自ら手掛けたトレルー・シュル・マルヌのシャンパーニュを、村の風景にちなんで”Terroir des Buttes(=小さな丘のテロワール)”と名付けてリリースしたことに始まる。その後、エドモンの娘のリリアンと孫のピエールが少しずつ畑を買い足し、1955年にヴーヴ・オリヴィエ・エ・フィスの名で醸造所を設立。現在は、ピエールの娘であり、4代目となるサンドリーヌ・シャルパンティエ=オリヴィエが、トレルー・シュル・マルヌにのみ所有する18haの畑からシャンパーニュを手掛けている。創業以来、自社畑のブドウのみを用いるレコルタン・マニピュランとして、そのテロワールを可能な限り細やかにシャンパーニュに表現することを、変わらぬ信条としている。

エペルネから約30km西に位置するトレルー・シュル・マルヌは、マルヌ川の右岸にあり、川に面した南向き斜面に畑が広がる。同じ右岸でもエペルネ周辺の村と比べると土壌は重く、粘土の比率が高い。また、遅霜が発生しやすいエリアのため、芽吹きが遅く、成熟が早いピノ・ムニエが多く植えられており、豊かな日照と重い土壌がもたらすふくよかな果実や、恵まれた環境で育つピノ・ムニエのフローラルなキャラクターを備えたシャンパーニュが生まれる。

【栽培】
ヴーヴ・オリヴィエの畑はこの村の斜面の海抜70-90mの間に広がり、粘土、砂、石灰の混合土壌からなる。21もの区画に分かれたそれぞれの畑の特徴を引き出すため、栽培にはリュット・レゾネを採用。「畑仕事が最も重要なポイント」というサンドリーヌの言葉通り、入念に手入れされた彼女の畑のブドウのクオリティは高く、高品質のブドウしか用いないことで有名なボランジェにも供給されている。

【醸造】
テロワールの表現とともに、伝統のワイン造りを大切にしているヴーヴ・オリヴィエでは、ブドウの圧搾に昔ながらの木製のコカールを用いている。コカールでブドウをゆっくりとプレスすることで、よりピュアでクリアな果実が得られるという。ベースワインの醸造は区画ごとにステンレスタンクで行い、マロラクティック発酵により、滑らかな質感を引き出している。

トレルー・シュル・マルヌは知る人が少ない村だが、この地で地道にクオリティを追求してきたヴーヴ・オリヴィエのシャンパーニュは近年、フランスの主要ガイド誌で注目されつつある。ベーシックなキュヴェながら、3年という長期熟成で造られるカルト・ドールは、ギド・アシェット初掲載で1ツ星(=非常に素晴らしい)評価を受けている。